岡山県立大学 エネルギー・環境研究室



研究概要

世界のあらゆる場所に適用可能な、経済性のある革新的なCO2削減技術・システムを開発することが目的である。 その具体的手段として、エネルギー創出と双方向システムを組み合わせて、自然エネルギーの経済的利用を可能にするエネルギー回生の仕組みを社会システムとして構築することを目指している。 エネルギー回生の仕組みは、一度使用したエネルギーを価値の高いエネルギーとして再生するエネルギー創出(再生)と、再生したエネルギーを太陽光発電などの自然エネルギーと組み合わせて最適に利用する双方向システムで構成される.

【1】エネルギー創出(再生)の研究

エネルギー創出(再生)の概念は、従来のカスケード利用を柱にした省エネルギーと異なり、一度使用したエネルギーを価値の高いエネルギーとして再生し、再利用する方法である。 再生可能なエネルギーには、①移動体の運動エネルギー、②100℃以下の低温排熱(顕熱)、③可燃性の副生ガスなどがある。例えば、移動体の運動エネルギーは電力で再生利用できる。 また、低温排熱は吸着式や吸収式のヒートポンプを用いて150℃以上の高温蒸気として回収できる。特に、製鉄所の高炉ガスは、高炉ガス中に約75%含まれるCO2やN2を除去することにより、従来に比べて1.5倍の電力を創出できる。 これらのCO2削減ポテンシャルは国内総CO2排出量の30%以上あり、②は国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)から鉄鋼連盟が受託したCOURSE50国家プロジェクトからの委託を受け 「未利用温排熱から高温水蒸気を生成する吸着式蒸気回生システムの研究開発」している。 また、③は大手鉄鋼会社との共同研究を行っている。

研究の目標

【2】スマートグリッド(コミュニティ),エネルギーマネジメントの研究

創出したエネルギーや自然エネルギーのほとんどは、時間、空間、価値の面で需要と一致しない。 この需給の不一致を調整し、経済的に利用する仕組みが双方向システムである。 基本概念はSMART研究会で2004年に出版した書籍「地域分散エネルギー技術(海文堂)」で提案している。 これを具現化するためには、いきなり大きなシステムを構築するのではなく、1戸の家庭と1台の電気自動車を最小単位とする需給調整から考えることが重要かつ現実的である。 また、自然エネルギーを対象にする場合には、1年間に亘る日射量や気温などの時間変化も考える必要がある。更に、システム全体でのエネルギー効率や経済性を最適化する必要もある。 双方向システムは、実験と工学理論に基づく数学モデルのシミュレーションによって構築する研究を進めている。 これまでに,国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)からの受託による「森と人が共生するSMART工場モデル実証」において,太陽光発電と産業用電動式移動体を用いて、経済的(IRR=7%以上)でCO2排出量を40%以上削減できることを検証している。 また、その成果を、家庭、電気自動車、ローカル線の電車などへ水平展開することにより、経済的にCO2排出量を50~80%削減できるエネルギーシステムを数多く提案しつつある。

双方向システム

具体的な研究テーマ

○開発した解析ツール(ソフト)

伝熱、熱力学のエネルギー変換理論と制約条件の理論に基づき、装置単体の効率から統合化された装置全体のエネルギー変換効率を定量的に評価する。

①要素の需給解析モデル

②要素をインテグレーション(統合化)する需給解析モデル

〇開発中の要素技術(ハード)

具体的な研究テーマ